2023年度のご挨拶
日頃より、帝京大学との医療連携にご協力頂きありがとうございます。2018年に当科に教授
として赴任して以来、“地域の砦としての役割を果たす”ことが我々の使命だと考えて診療して
参りました。地域に密着した施設であると同時に、高度医療提供施設として重症例や救急症例
など、困った時にこそ頼りにしてもらえる、そんなチームであることを目指して来ました。コ
ロナの影響もありましたが、未だ十分に使命を果たせず機能不全という部分があったと反省し
ております。2023年は赴任5年・区切りの年として、改めて初心に戻り粉骨砕身するつもりで
す。
当科では今までも胸腔鏡を主体とした低侵襲手術を提供していました(呼吸器外科手術の
70%以上)。そのうえで、2020年度から開始したロボット支援手術(ダビンチ手術)も増加傾
向で、特に縦隔腫瘍ではほぼ100%がロボット手術です。また、早期・微小肺癌切除に関して
術中リアルタイムCTを用いた胸腔鏡下切除も数多く実施しています。本法では、従来のマーキ
ング(肺に針を差し込む、気管支鏡で色素を注入する)に較べ術前に処置を行う必要もなくリ
スクや苦痛の軽減につながっています。日本において本法を行っている数少ない施設であり、
症例数でも日本トップクラスです。
難治性気胸では呼吸器内科と救急部と呼吸器外科の協力のもとで、早期の的確な対応に心が
けております。また、女性気胸(月経随伴性気胸)に関しては、昨年より婦人科との合同チー
ムを形成しより疾患の本質に近い診療に心がけています。膿胸や降下性縦隔炎では、耳鼻科・
救急部・呼吸器内科・外科との連携を強め遅滞なく外科治療を含む専門的治療を提供できる体
制が構築されております。
昨年(2022年度)は244例の全身麻酔手術を手がけました。肺癌が最頻の疾患ですが、気胸
や膿胸など救急外来を経由した症例も増加しております。アプローチではダビンチ手術(ロボ
ット)や胸腔鏡手術が主体ですが開胸での拡大手術も少なくありません。
当科(外科・呼吸器外科)は呼吸器疾患一般の窓口としての役割も果たす所存です。呼吸器
関連症状やレントゲンでの異常所見があれば、当科で喜んで対応させて頂きます。呼吸器外科
外来は原則として人数制限をしておりませんので、患者さんの都合と病態に合わせていつでも
対応させて頂きます。患者さんのために敷居の低い、連携しやすい呼吸器外科を目指しており
ます。何卒宜しくお願い申し上げます。
令和5年 4月
外科学講座 呼吸器外科教授 坂尾幸則
お知らせ
- 活動報告・ブログを更新しました。 [2022.06.27更新]
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第189回 日本胸部外科学会 関東甲信越地方会が開催されました。活動報告・ブログにアップしました。
- ブログ・活動報告を更新しました。 [2022.06.19更新]
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手術手技向上&手術機器適正使用セミナー 2022年度第1回を開催しました。ブログ・活動報告を更新しました。
- 活動報告・ブログを更新しました。 [2022.06.14更新]
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第45回 日本呼吸器内視鏡学会が開催されました。活動報告・ブログにアップしました。
- 活動報告・ブログを更新しました。 [2022.05.27更新]
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第39回 日本呼吸器外科学会学術集会が開催されました。活動報告・ブログにアップしました。
- 2022年度のご挨拶 [2022.04.06更新]
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2022年度が始まりました。坂尾教授よりHPをご覧いただいているみなさまへご挨拶申し上げます。ブログ・活動報告にアップしました。
- 活動報告・ブログを更新しました [2021.12.10更新]
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出嶋先生が、帝京大学医学部 藤井儔子学術奨励賞を受賞しました。活動報告・ブログにアップしました。
- 活動報告・ブログを更新しました。 [2021.11.05更新]
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坂尾幸則教授が2021年度General Thoracic and Cardiovascular Surgery Best Reviewer賞を受賞しました。活動報告・ブログにアップしました。
- 活動報告・ブログを更新しました。 [2021.10.18更新]
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手術機材適正使用&手術手技向上セミナーが開催されました。活動報告・ブログにアップしました。
- 活動報告・ブログを更新しました。 [2021.10.03更新]
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研修医 西本先生、内藤先生の呼吸器外科研修を修了しました。活動報告・ブログにアップしました。
活動報告・ブログ
臨床業務はもちろん全力。それだけではなく、学術活動や若手医師・学生教育にも日々全力で取り組んでいます。私たちの活動の様子をブログとして報告しています。