2025年度のご挨拶
日頃より、帝京大学との医療連携にご協力頂きありがとうございます。2018年に当科に教授として赴任して以来、“地域の砦としての役割を果たす”ことが我々の使命だと考えて診療しております。地域に密着した施設であると同時に、高度医療提供施設として重症例や救急症例など、困った時にこそ頼りにしてもらえる、そんなチームであるということです。人員不足やコロナの影響などもあり、未だ十分に機能しきれていないと反省しております。
当科では今までも胸腔鏡を主体とした低侵襲手術を提供していました(呼吸器外科手術の70%以上)。そのうえで、2020年度から開始したロボット支援手術(ダビンチ手術)も増加傾向で、特に縦隔腫瘍ではほぼ100%がロボット手術です。また、早期・微小肺癌切除に関して術中リアルタイムCTを用いた胸腔鏡下切除も数多く実施しています。本法では、従来のマーキング(肺に針を差し込む、気管支鏡で色素を注入する)に較べ術前に処置を行う必要もなくリスクや苦痛の軽減につながっています。本手術では、日本のみならず世界でもトップクラスの症例数です。
難治性気胸では呼吸器内科と救急部と呼吸器外科の協力のもとで、早期の的確な対応に心がけております。また、女性気胸(月経随伴性気胸)に関しては、婦人科との合同チームを形成しより疾患の本質に近い診療に心がけています。膿胸や降下性縦隔炎では、耳鼻科・救急部・呼吸器内科・外科との連携を強め遅滞なく外科治療を含む専門的治療を提供できる体制が構築されております。
昨年度(2024年度)は240例弱の全身麻酔手術を手がけました。昨年度は看護師不足から3か月間ほど手術数の制限を設けなければならず、皆様にはご迷惑をおかけしたことと存じます。その影響もあり、前年より実施手術数が減少致しました。手術の中では、肺癌が最頻の疾患(110 例弱)ですが、気胸や膿胸など救急外来を経由した症例も増加しております。アプローチではダビンチ手術(ロボット)や胸腔鏡手術が主体ですが開胸での拡大手術も少なくありません。
当科(外科・呼吸器外科)は呼吸器疾患一般の窓口としての役割も果たす所存です。呼吸器関連症状やレントゲンでの異常所見があれば、当科で喜んで対応させて頂きます。呼吸器外科外来は原則として人数制限をしておりませんので、患者さんの都合と病態に合わせていつでも対応させて頂きます。患者さんのために敷居の低い、連携しやすい呼吸器外科を目指しております。
何卒宜しくお願い申し上げます。
令和7年4月
外科学講座 呼吸器外科教授 坂尾幸則
お知らせ
- 2025年度新入局者をメンバー紹介ページにアップ致しました。 [2025.05.16更新]
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2025年4月1日付で下記3名が帝京大学呼吸器外科の仲間になりました。
三井愛 帝京大学医学部附属溝口病院 助手
久保田魁 帝京大学医学部外科学講座 シニアレジデント 現在はさいたま市立病院にて後期研修中です
山元幹太 帝京大学医学部外科学講座 シニアレジデント 現在はさいたま市民医療センターにて後期研修中です
- 2024年度の業績をアップ致しました。 [2025.04.18更新]
- 活動報告・ブログを更新しました。 [2025.04.14更新]
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第125回日本外科学会定期学術集会が開催され、当科教授の坂尾幸則先生、准教授の山内良兼先生が参加致しました。活動報告・ブログにアップしました。
- 2025年度のご挨拶 [2025.04.01更新]
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2025年度が始まりました。坂尾教授よりHPをご覧いただいているみなさまへご挨拶申し上げます。ブログ・活動報告にアップしました。
- 活動報告・ブログを更新しました。 [2025.03.31更新]
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2025/1/31(金)第4回 経気管支アブレーション療法セミナーを、当科の坂尾教授が当番世話人として完全オンライン配信にて開催致しました。活動報告・ブログにアップしました。
- 活動報告・ブログを更新しました。 [2025.03.31更新]
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当グループの坂尾幸則教授が、Sigma Xiの正会員に選出されました。活動報告・ブログにアップしました。
- 活動報告・ブログを更新しました。 [2022.06.27更新]
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第189回 日本胸部外科学会 関東甲信越地方会が開催されました。活動報告・ブログにアップしました。
- ブログ・活動報告を更新しました。 [2022.06.19更新]
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手術手技向上&手術機器適正使用セミナー 2022年度第1回を開催しました。ブログ・活動報告を更新しました。
- 活動報告・ブログを更新しました。 [2022.06.14更新]
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第45回 日本呼吸器内視鏡学会が開催されました。活動報告・ブログにアップしました。
- 活動報告・ブログを更新しました。 [2022.05.27更新]
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第39回 日本呼吸器外科学会学術集会が開催されました。活動報告・ブログにアップしました。
活動報告・ブログ
臨床業務はもちろん全力。それだけではなく、学術活動や若手医師・学生教育にも日々全力で取り組んでいます。私たちの活動の様子をブログとして報告しています。